2023年テツ旅で出会った味・北海道&東北編

心が落ち着きません。

改めて筆者が楽しくテツ旅を楽しめるのは、多くの皆様の支えあってのもだと噛み締めております。

というわけで、2023年の旅を食で振り返り。

人生半世紀以上生きてきましたけど、”初めまして”の味がまだまだあった!

ベスト5ぐらいまで絞り込もうと思ったけど難儀だったので、地域別に分けてお届けします。

まずは北から。


【新函館北斗駅・鰊みがき弁当

いきなりの王道でスイマセン。

でもおせちでも数の子にあまり有り難みを感じたことがなく、甘辛く炊いた鰊も、京都時代に名物・鰊蕎麦で食したことがあるのですが、申し訳ないけどトキメキを感じず。なのでこの駅弁は眼中にありませんでした。

しかし新函館北斗駅から電車とバスを乗り継いで、映画館・浦河大黒座までの長旅。お腹に何か入れておかねば!とお手頃価格1000円(税込)の本商品に手を伸ばしたワケです。

一口食べて、これまでの食わず嫌いを激しく後悔。

鰊が柔らかく、優しい甘味が口に広がって、うまっ!

程よい塩気が食材の旨みを引き立てている数の子に、うまっ!

美味しくて箸が進む、進む。

王道、侮るなかれでした。


青森港 海の食堂 大福丸

じゃらんさんが期間限定ポイントをくれたので、宿泊ホテル近くで使える店を……と検索してヒットしたのが同店。青森の郷土料理がウリの宣伝文句に偽りなし。

せっかくなので、鮮魚の中でも特に鮮度が命と言われるいかの刺身をオーダー。一口含むと……甘〜い。

これは日本酒でしょうと、地酒セットをオーダー。

田酒は飲んだことがあるけど、八仙豊盃は初。

以前、池袋にある元小学校を地域交流の場としている「みらい館大明」で久保田淳さんによる「日本食文化考察シリーズ」がありまして、地元料理と地酒を楽しむ講座に参加しました。その時に確信したのは、地酒はその土地の食に合う味になっていること。

八仙と豊盃は、新鮮な魚介に合うスッキリ辛口。

大好きなコクのある田酒に合うのは、コレ! 郷土料理の貝味噌焼き

ホタテの貝殻を使って出汁と味噌で具材を煮込んだ漁師料理で、ちょっと焦がして香ばしくなった味噌と卵が良い仕事をしてくれんですわ。

最後の焦げた味噌の部分をこそげ落としながら、田酒をちびちび。

この店の魚は信用できると思ったので、本記事1枚目のミニちらしもオーダー。

観光客向けのエンタメも用意されている店ですが、カウンター席もあるのでおひとり様でも気兼ねなく利用できるのがありがたや。

次回はイガメンチと青森名産ぼたんちくわのチーズ揚げを食べようっと。


【青森・五所川原 ホモドリ蒸留研究所のLOVEVADOS EARY BIRED】

五所川原の街を散策していた時に、異色を放つオシャレな外観に惹かれて入店。

青森名産のりんごを使った”アップル・ブランデー”の販売店。

りんごを使用した蒸留酒といえばフランスのカルヴァドスが有名。

それにちなんで商品名を”ラブヴァドス”にするとは。ナイスです。

店舗で有料試飲が220円(15ml)で出来るので、クセ強酒が好きな筆者は”フレンチオークの甘みと余韻”が味わえるらしいEARLY BIRD 2023をオーダー。キンキンに冷えたオリジナルのグラスで、ストレートで頂きました。

 ブランデーとしては早めの樽熟成1年だから”アーリーバード”。確かに私にとっては軽めですが、ほんのり樽の香りとりんごの甘みも味わて、アラッ、美味しい。何より最近、同じくりんごを活用して自家製のシードルを生産する会社が増えてきましたが、本場フランスやスペインでも、ぶっちゃけ、美味しいと思ったシードルに出会ったことがないんです。りんごは蒸溜所の方が合うじゃないかなーと個人的には思っています。

 もう少し味わいたかったので帰路の新幹線のお供にと、180mlのミニボトルを購入。あっという間に呑んじゃいました。


【新青森駅・つがるめんこい懐石弁当ひとくちだらけ

 大阪へ行くと、地元の味覚が一つに詰まった「御堂筋弁当」(水了軒)を必ず買ってしまうのですが、意外とこの手の駅弁ってないんですよね。盛り付ける手間がかかるから?

と嘆いていたら、新青森駅にありました。

豚肉の味噌漬け焼き、ほたて煮、イカメンチ、菊のおひたし、黒石焼きそば、かぼちゃ餅など24種の青森の味が詰まった駅弁が。見事な酒呑み向け弁当。



しかも駅弁が軒並み銀座のランチか!ってぐらいに高騰している最中、1350円(税込)ですよ。つがる惣菜さんに拍手です。

ただ人気のようで、夜遅い新幹線だと売り切れ。昼の新幹線に切り替えて、昼呑みしながら帰りなさい!ってことですかね!? かしこまり。


【秋田・東能代駅NewDays  いぶりがっこ炒飯・ぼだっこ】

悲しいかな、地方を旅していると駅の周辺に飲食店も何もない……という場所が増えました。

コンビニがあれば御の字。でもちょっとでも地元の食を味わいたいじゃないですか。

そんな筆者の欲望に見事応えてくれたのが、いぶりがっこ炒飯とぼだっこのおにぎりです。

ウィスキー好きならまず嫌いな人がいないであろう秋田名物のいぶりがっこは、チータラになったり、タルタルソースになったりと、その美味しさに目覚めた人が増えました。でも炒飯は初めて。

いぶりがっこ自体、なかなかのお値段なので料理の隠し味に使うことに躊躇いがあったのですが、

油に絡まると旨みが倍増。

ぼだっこは存じ上げなかったので、店員のお姉さんに質問。秋田では紅鮭・汐鮭のことを呼ぶようですが、広く”塩引きの鮭”と認識されているようです。

お姉さんに「塩辛いけど、大丈夫?」と確認されつつ購入しましたが、このおにぎりに関しては警戒していたほどではなかったので無問題。何より、地方のおにぎりは地元のお米を使ったごはんが美味なり。

さらに、このおにぎりの味を引き立てくれたことが。

早朝7時13分大館行きの五能線に乗るために、東能代駅まで歩いていたところ、通りすがりの学生さんが皆「おはようございます」と元気な挨拶をしてくれました。

能代高校の生徒さんたちですかね?

良い街だなー。今後はゆっくり滞在しますね。


【山形駅東口・高級食パン専門店「許してちょんまげ」のアクショントースタープレート】


 山形国際ドキュメンタリー映画祭参加のために、2年に一度は訪問している山形市。前回はコロナ禍でオンライン開催だったため、4年ぶりに訪れたところ駅西口にやまぎん県民ホールが開館し、合わせて新規店舗が誕生。

その中の一つが、県産品ショップ「0035 BY KIYOKAWAYA(ゼロゼロサンゴーキヨカワヤ)」内にある高級食品パン専門店「許してちょんまげ」のカフェ。ユニークな店名でお察しかと存じますが、ベーカリープロデューサー岸本拓也さんの店です。

広々としたカフェで味わえるのが、店内にある好きなトースターで焼きたての食パンが堪能できるプレートです。理想の朝ごはんのようなシンプルなプレートですが、トースターに釘付け。

憧れのイタリアの家電メーカーSMEGのドルチェ&ガッパーナコラボデザイン・トースターがあるじゃないですか!

公式HPによると16万5000円の商品。

ドリンクセット750円で使えるのなら、迷いなくオーダー。

というわけで、ドルガバ・トースター目当てだったワケですが、やはりシンプルなメニューこそ素材の味が引き立ちますね。

隠し味に山形県産ラフランス果汁や蜂蜜が加えられた食パンの優しい甘み。

その上にフランスのエシレバターをオンすれば、間違いのない美味しさです。

河北町のイタリア野菜のサラダは瑞々しく、山形県産紅輝卵のサラダはしっかりした卵の味。

ドリンクはマスカットベリーAのジュースをチョイス。コレがまたブドウの旨みがギュッと詰まった濃厚な味。マスカットベリーAはワインでは飲んだことがありますが、当たり前だけどジュースでも美味しいのだと再発見。

今回はこのプレートしか味わえなかったのですが、地元の方にはサンドウィッチが人気のようで、ランチ時にはスーツ姿の男性の姿も。

山形に行く楽しみが、また一つ増えました。


中山治美の”世界中でかき捨てた恥を回収す”

映画ジャーナリストの中山治美です。 1991年に初の海外旅行でケニアを旅して以来、仕事やプライベートで随分とあちこち旅してきました。 でも齢50歳を超えて体力的に限界が……。 そろそろ終活⁉︎と思い、 記録に残すことにしました。 2024年4月からは下記で更新。 https://ameblo.jp/haruminakayama-555/

0コメント

  • 1000 / 1000