”勝手に”「カンヌ 監督週間 in Tokio」開催記念・カンヌの思い出③

 アジア初開催となるカンヌ監督週間inTokioを記念して、筆者が参加した監督週間を振り返るこの連載。今回は初監督作『チェルシーホテル』(2001)を引っ提げて2001年のカンヌにやってきたイーサン・ホークと出演者のユマ・サーマン、ロザンナ・アークウェットです。


 俳優のみならず、1996年には半自伝的小説「痛いほどきみが好きなのに」(2006年に自身で映画化)を出版するなどマルチな才能を発揮していたイーサン。初監督で、さらに主演は名作『ガタカ』(1997)での共演をきっかけに結婚したユマ・サーマンとあっては、盛り上がらないワケがない。

会場には友人クエンティーノ・タランティーノもやって来て、異様な熱気に包まれていました。

 ところが、当の本人はなんだか落ち着かない様子で、会場後方でそわそわ。

 本作キャンペーンで来日した際のインタビュー記事を読むと、初お披露目とあって相当緊張していたようです。

⚫️『チェルシーホテル』イーサン・ホークインタビュー

 映画好きのイーサンのこと。カンヌで、しかも名だたる監督たちの作品が上映されてきた監督週間に選ばれた意味を重々承知していたのでしょう。気合を入れた結果、ウエスタン風ファッションを選んだセンスはちょっと謎でしたが(苦笑)

 そして上映後、会場から拍手喝采が湧き起こると、ホッとしたのかユマ・サーマンに熱烈キス!

 イーサン、良い奴じゃん!

 と、思ってから3年後。

 まさかイーサンの浮気が原因でユマと離婚するとは!

 でもね、イーサンの制作意欲は本物でした。

 その後も監督業を続けているだけでなく、旅先の出会いから始まった男女の長年にわたる友情以上恋人未満の関係を綴ったリチャード・リンクレイター監督「ビフォア」シリーズに脚本家としても参加。同作は今も多くのアーティストたちに刺激を与えています。

 ちなみにユマとの間に生まれたマヤ・ホーク(お母さん似)は、両親の才能を受け継ぎ女優・モデル・歌手として活躍中。マヤが2020年に発表した楽曲「Coverage」のミュージックビデオの撮影をイーサンが行っており、父娘関係は良好の模様。

 やっぱりイーサン、良い奴だぁ。

中山治美の”世界中でかき捨てた恥を回収す”

映画ジャーナリストの中山治美です。 1991年に初の海外旅行でケニアを旅して以来、仕事やプライベートで随分とあちこち旅してきました。 でも齢50歳を超えて体力的に限界が……。 そろそろ終活⁉︎と思い、 記録に残すことにしました。 2024年4月からは下記で更新。 https://ameblo.jp/haruminakayama-555/

0コメント

  • 1000 / 1000