出雲に呼ばれた……かも⁉︎

それは出雲に向かう前日の事です。

朝日新聞を読んでいたら、下記の記事が目に留まりました。

 会員限定の記事なので簡単に説明すると、日本学術会議の会員候補6人が任命されなかった問題について、政府の対応を疑問視するSNSの投稿を続けている元会員で、気象庁気象研究所元職員の増田善信さん(97)にインタビューしたものです。

 増田さんは戦時中、気象学の知識を求められ、島根県にあった海軍大社基地に配属され、

そこから出撃する爆撃機の乗員に、風向きや雲の高さなどの気象情報を伝達するのが任務。沖縄方面に飛び立つ仲間を連日のように見守ったとか。

 研究者として自身も戦争に加担してしまった反省から、”国と学術界は正しい距離を保つべき”という意見を発信しているという。

 戦争体験車ならではの力強い言葉の数々を胸に刻みつつ、気になったのは経歴。


 へ? 海軍大社基地⁉︎

 

 出雲大社があるような厳かな場所に基地があるとは、存じ上げませんでした。恥ずかしながら。よくよく考えたら軍艦にも名付けられている地名なのに。

 早速ネットで検索したら痕跡多数。

出雲大社の北側に位置する大社町には、旧日本海軍・砲台跡や旧海軍掩体壕跡が。しかも出雲市斐川町には、まさに増田さんが赴任していた旧海軍大社跡の記念碑があり、滑走路がいまだに残っているというではありませんか。

 Googleさんで調べたら、JR出雲市駅から旧海軍大社跡まで約5km。出雲市駅東駐輪場のレンタルサイクル・オフィスに電話したところ、登り坂が続く旧日本海軍・砲台跡は「止めた方がいい」けれど、旧海軍大社跡は行けない距離ではないとのこと。

  負の部分も含めて歴史を学ぶことがその土地の理解につながるを旅のモットーとしている筆者としては、行かねば!でしょう。

 サンライズ出雲で出雲市駅について、「らんぷの湯」で体を清め、そばの名店「献上そば 羽根屋」で腹ごしらえして、電動サイクルでGO!

 高瀬川沿いの風情ある街並みを眺めながら、最初は気持ちよかったのです。

 しかーし、すぐに激しく後悔。出雲ロマン街道なる道は、ロマンはいずこ?の登り坂。甲斐川を渡る橋は結構な高さと距離で、車道を走るトラックに煽られてバランスを崩して橋下に落ちたら…なんて嫌な予感がよぎってゾっ。思った以上に5kmは遠く、漕いでも漕いでも目的地が見える気配はナシ。大学生時代、高知駅で自転車を借り、桂浜までママチャリで行った(片道約11km)以来の”やっちまったな、あたい”。

 なんとか気力を振り絞り、漕ぎ続けること約30分。目標のローソン斐川出西店の看板が見えたと思ったら、不意に現れた旧海軍大社基地関連施設群の記念碑と案内板が。

 つ、つ、着いた・・・(T ^ T)

 周囲は一見、程よい自然に囲まれた地方でよく見られる景色です。でも真っ直ぐに伸びた道路の脇をよく見ると、不自然な平地が。

 大社海軍航空基地の滑走路です。戦後は、陸上自衛隊の演習場として活用されたそうです。

手をつけてはいけない聖域か? はたまた時代から忘れ去られた場所か?

雑草と割れたコンクリートが哀愁をそそります。

 そうして感慨にふけっていた瞬間でした。大空に飛行機雲が出現したのです。

 よく来たね!と歓迎されているかのようで、ウルっと。

 やっぱり私、出雲に呼ばれましたわ。

 と、ここは、良いように解釈させていただきたい。


中山治美の”世界中でかき捨てた恥を回収す”

映画ジャーナリストの中山治美です。 1991年に初の海外旅行でケニアを旅して以来、仕事やプライベートで随分とあちこち旅してきました。 でも齢50歳を超えて体力的に限界が……。 そろそろ終活⁉︎と思い、 記録に残すことにしました。 2024年4月からは下記で更新。 https://ameblo.jp/haruminakayama-555/

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